時計の読み方は、小学校に入るまでにある程度マスターしておきたい子どものスキルの一つです。
なぜなら小学生になると幼稚園や保育園と違い、時間割りに沿って一日が進むようになるためです。
そもそも自宅にデジタル時計しかない場合、アナログ時計に馴染みがないため、親がていねいに時間を教えてあげる必要があるかもしれません。
授業でも習いますが、入学前に時間がわかるくらいになっていると、子どももスムーズに小学校の生活に慣れることができます。
今回は、入学までに時計の読み方を子どもに教えるポイントをご紹介します。
時計の勉強はいつからできる?
時計の勉強ができるようになるためには、いくつかの条件があります。
まずは、時間の概念を理解できていることです。
「時間」というものの存在を理解できるようになってくるのは、4~5歳、幼稚園でいうと年中さんくらいです。
また、時計には、数字が12までありますので、最低限、12までの数を数えられるようになってから始めましょう。
子どものほうから「いまなんじ?」など時間をたずねてきたり、時計に興味を持ったりするようなら、時計の勉強を始めるサインです。
アナログ時計の形をした知育玩具を与えて興味を持たせてみても良いでしょう。
小学校でも1年生~2年生にかけて時間の読み方を教えてくれますので、まだ本格的に覚えられなくても心配はいりません。
興味を持ったら少しずつ時間を伝えるようにしてみましょう。
【ステップ別】時計の読み方
それでは、段階別に時計の読み方を教える方法を見ていきましょう。
まずは自宅の時計をチェックしてみてください。
数字が書いていない、もしくは分の目盛りがない時計は、子どもにはわかりにくいのでおすすめできません。
勉強用の時計を準備するよりも、生活のなかに溶け込んだ時計のほうが馴染みやすいですから、普段使いの時計を子どもにもわかりやすいものに変えたほうが良いでしょう。
1.時計の数字を数える
最初は、子どもと一緒に時計に書いてある数字を読んでみます。
そして、1時から12時まであること、午前と午後があることを教えましょう。
ここまでは小学校入学前なら、何となく理解していることが多いものです。
しかし、「なぜ12までなのか?」といったような難しいことを教える必要はありません。
また、この時点では、13時、14時……など24進法の読み方には触れないでおきましょう。
2.長い針と短い針の意味を覚える
次は、時計には針が2つあって、短い針は「時間」を、長い針は「分」を指すことを教えましょう。
秒針には触れないでおくこともポイントです。
3.時間を覚える
次に教えるのは、短い針が指す「時間」です。ポイントはこれを日常生活のなかに上手に組み込むこと。
(例)
- 「7時になったから起きよう。短い針はどこかな? 7になっているね!」
- 「短い針が8だから、8時だよ! 8時になったら幼稚園に行こうね」
- 「短い針が3になったら、3時だからおやつにしようね」
子どもの行動と時間とを絡めて声かけをしながら、時間を意識させましょう。
4.「ちょうど」と「30分・半(はん)」を覚える
短針にある程度慣れたら、長針の指す「12」と「6」が理解できるようになります。
12は「ちょうど」、6が「30分」。30分は「半(はん)」という呼び方もあることを教えましょう。
すでに時間のことはわかってきているので、「ちょうど」と「半」を狙って声かけをします。
(例)
- 「短い針が4で、長い針が12になったら、4時ちょうどだから、好きなテレビが始まるよ!」
- 「短い針が8で長い針が6だから8時30分だね。もう寝ようか」
子どもも自然と「ちょうど」「半」という概念を覚えますので、覚えたらまた次のステップへ進みましょう。
5.細かい「分」を覚える
いよいよ、時計の1は5分、2は10分……というところですが、細かく「分」を読むのは難しいので、この段階に来ると親の声かけにも工夫が必要になります。
(例)
- 「3時になったらおやつを食べようね。今は2時55分だから手を洗っておいで」
- 「短い針が3と4のあいだで、長い針が10だから、今は3時50分だね。4時になったら夕飯の支度をするから教えてね」
このように、すでに覚えた「ちょうど」や「半」と一緒に、短針が何分を指しているのかを意識させるような声かけが効果的です。
また、「いまなんじ?」という問いかけにも答えられるようになってきますので、ときどき聞いてみましょう。
時計の勉強に役立つもの
子どもに時計の読み方を教えるにあたって、役立つおすすめグッズをご紹介します。
おもちゃの時計
これは、自分で針を自由に動かすことのできる、時計のおもちゃです。
「10時半のときの時計は、どうなっているでしょうか!」と質問して、子どもに針を動かさせたり、反対に親が針を動かしたりして「これは何時?」「これは何時何分?」とクイズ形式で楽しみながら、一緒に遊ぶことで時間を覚えられます。
絵本
時間に関連した絵本も、時計や時間への興味付けとしておすすめです。
物語を読んでいるうちに、時間のことが何となくわかってくることに加え、文字の勉強にもなるので一石二鳥です。
家の本棚に1冊置いておくと、子どもが自分を投影しながら楽しめるでしょう。
アプリ・YouTube
最近は知育アプリやYouTubeにも、時間を教えられるものがあります。
知育アプリではゲーム感覚で時間を覚えられますし、YouTubeでもかわいいアニメで楽しく時間の勉強ができます。
夕飯の準備中など、一人で待っていてほしいときには上手に利用したいですね。
時計の読み方を子どもに教えるときのコツ
時計の読み方を子どもに教えるのは、親にとって多少骨の折れる仕事ですが、コツはあります。
子どもが時計をスムーズに読みやすくするコツは以下のとおりです。
時計に「分」の数字も書いてあげる
最初は、1が5分、2が10分といわれても、子どもにはわかりにくいものです。
そこで、時計の1~12の場所に、5・10・15・20……と、分を示す数字を書いた紙を貼ってしまいましょう。
目に見える形で表示すると、視覚的にも位置で分表示を覚えやすくなります。
慣れてきたら、12、3、6、9など、区切りのいいところから紙を外し、最終的には紙がなくても時間がわかるように導きます。
日常生活とリンクさせる声かけをする
覚え方のステップでも触れましたが、生活リズムに時間を組み込み、日常生活のなかで声かけをすることが重要です。
起きるとき、寝るとき、食事、お風呂など、「○時だから○○しようね」と声をかけて、時間を覚えさせましょう。
さらに、「今何時?」「○時になったら教えて」などの質問で、時計を見る回数を増やす工夫もすると良いですね。
このように声かけをしていくと、実際に自分で時計を見て、時間に沿った行動をしやすくなります。
まとめ 小学校に入る前に親子で楽しく時計の勉強をしよう
子どもに時計の読み方を教えるのは気が重い……と考えるかもしれませんが、親の側も「遊びや生活の一環」ととらえると、比較的スムーズに教えることができます。
時計の勉強とはいいますが、勉強ととらえずに、無理をせず、時間の世界を子どもと一緒に楽しんでくださいね。