【日本脳炎の予防接種】対象者や期間は?受け忘れた場合は?基本情報をおさらい!

注射のイメージイラスト

2023年9月、日本脳炎の発症がニュースで報じられて話題になりました。

日本では大きな流行が起きることはありませんが、毎年のように発症者は出ています。

しかし、発症すると死亡や後遺症のリスクが高いことや、特効薬がないことは意外と知られていません。

また、さまざまな事情で定期予防接種を逃してしまった世代もいます。

この記事では、日本脳炎の概要や予防接種の流れ、定期予防接種を逃した世代を対象とした特例の詳細を、筆者の体験談を交えて説明します。

ママライタープロフィール

ayu

15歳と19歳の息子を持つ福岡在住のライター。(※原稿執筆時)
情報誌勤務を経てフリーランスのライターとして活動中。
DIYやお笑い鑑賞、フリマアプリで不用品を売ったり、ポイ活をしたりと、興味のおもむくままに楽しんでいます。
息子たちには野球マニア、潮干狩りのプロと呼ばれています。

日本脳炎とは?

蚊取り線香

日本脳炎は、日本脳炎ウイルスによっておこる感染症で、6〜16日の潜伏期間を経て、高熱、頭痛、嘔吐、吐気など(子どもは下痢や腹痛をともなうことも)で発病します。

インフルエンザや新型コロナウイルス感染症のように人から人へと感染するものではなく、日本脳炎ウイルスを保有する豚から、蚊を媒介して「豚→蚊→人」の順に感染します。

つまり「日本脳炎ウイルスを保有する豚」と「蚊」が揃う地域で発生する感染症です。

国立感染症研究所では、例年、7〜12月頃にかけて、豚の日本脳炎抗体保有状況を地域ごとに調べ、保有率の高い地域に注意喚起をおこなっています。

豚の日本脳炎抗体保有状況を調べると、ウイルス陽性の蚊が存在する地域が間接的にわかり、日本脳炎に感染するリスクがわかるからです。

アジアでは毎年3万5000人~5万人の患者が発生し、1万~1万5000人が死亡しているといわれますが、日本ではワクチンの定期接種によって患者が減り、1966年の2017人をピークに大きな流行も起きていません。

一方で、数は少ないとはいえ、毎年のように発症者が出ています。

2015年には10ヵ月の乳児が発症したほか、2022年は千葉、広島、熊本で、2023年は熊本県で(11月現在)発症する方が出ており、豚の日本脳炎抗体保有率が80%を超える地域も複数あります。

参考:国立感染症研究所|夏期におけるブタの日本脳炎抗体保有状況

日本脳炎の予防接種について

母子手帳とワクチン問診票

日本脳炎は発症しても特効薬がなく、予防することが大切です。

予防の方法は「ワクチン接種」と「蚊に刺されないようにする対策」の2つ。

ワクチンを接種すると、日本脳炎の罹患リスクを75〜95%減らすことができると報告されています。

予防接種の重要性

日本脳炎ウイルスに感染すると、100〜1000人に1人の割合で発症し、発症者の20〜40%が死亡するといわれています。

また、発症した時点でウイルスが脳に到達しているため、死を免れたとしても、生存者の45〜70%に精神障害などの後遺症が残る怖い病気です。

特に子どもは死亡の危険が大きく、重度の障害を残すことも多いといわれています。

ぜひ接種しておきたいものです。

何歳から受けられる?

日本脳炎の予防接種は1期と2期に分かれています。

定期接種の場合、第1期は生後6ヵ月以上90ヵ月未満が対象、第2期は9歳以上13歳未満が対象です。

標準的接種のスケジュールは以下のとおりです。

1期接種では、3歳以上4歳未満の期間に6〜28日の間隔をおいて2回接種し、2回目の接種後、おおむね1年を経過した時期に1回の追加接種をおこないます。

2期接種では、9歳以上10歳未満の期間に1回接種します。

定期接種に該当しない方で、任意接種をおこなう場合は、1〜4週間の間隔を開けて2回接種したあと、おおむね1年を経過した時点で追加接種を1回おこないます。

予防接種に副反応はある?

定期接種対象(生後6ヵ月以上90ヵ月未満の子ども)に認められた副反応として、主なものは、発熱、咳、鼻水、接種部位の赤みや腫れ発疹などです。

副反応のほとんどは接種3日後までに見られています。

ごくまれに、ショック、アナフィラキシー様症状、急性散在性脳脊髄炎、脳炎、けいれん、急性血小板減少性紫斑病などの重大な副反応がみられることがあります。

接種から数日は副反応が出現しないか注意し、異常な症状が現れた場合は医師の診察を受けましょう。

わが家では息子2人が接種しましたが、副反応はありませんでした。

参考:厚生労働省|日本脳炎ワクチン接種に関するQ&A

日本脳炎の予防接種を受ける流れ

予防接種の封書

上記の対象年齢や標準的な接種スケジュールを参考に、自治体が定める協力医療機関に接種日時を予約します。

接種のタイミングになると自治体から通知があるケースも多いです。

接種当日は、平熱で体調が良好であることを確認し、予診票、母子健康手帳、本人確認書類(保険証、マイナンバーカードなど)を持参します。

予防接種以外の受診が必要になる可能性も考え、乳幼児医療証、こども医療証、健康保険証を準備しておくと安心です。

定期接種に必要な予診票は市区町村が発行します。

通常は、妊娠届時、転入時、子どもの健診時などに配布されるか、接種のタイミングで郵送されますが、引っ越した場合や予診票をなくした場合は、住んでいる自治体に窓口申請や郵送交付を受ける必要があります。

また、定期接種の期限を過ぎた場合は原則として任意接種(自費接種)となるため、定期接種用の予診票が使えなくなります。

特例(長期の療養を必要とする病気にかかったなど)に当てはまる場合は定期接種扱いになる可能性があるので、自治体に問い合わせましょう。

参考:
板橋区|【子ども】予防接種を受けるまでの流れ(予診票の発行について)
神戸市|こどもの定期予防接種について、教えてください。
明石市|子どもの予防接種券の期限が切れてしまい、接種券が使えません

予防接種を受け忘れている場合は?

2005年度から2009年度まで、日本脳炎の予防接種の案内がおこなわれなかった時期があります(日本脳炎の予防接種後に重い病気になった事例があったため)。

そのあと、新たなワクチンが開発されて通常どおりの接種が再開されましたが、1995〜2006年度に生まれた方(2023年時点で16歳〜28歳)は、2005〜2009年度に日本脳炎の予防接種を受ける機会を逃している可能性があります。

こうした方たちを救済するため、国では、1995年6月1日〜2007年4月1日生まれの方を対象に、20歳未満まで定期接種として日本脳炎ワクチンを打てる特例を設置。

母子健康手帳などを確認し、市町村からの案内に沿って、接種を受けることを推奨しています。

ちなみに、わが家の息子たちは2004年生まれと2007年生まれで、定期接種の案内がなかった時期とちょうど重なったため、標準的な接種時期に接種していません。

長男(2004年生まれ)は6歳と7歳のときに1期を、12歳のときに2期を接種、次男(2007年生まれ)は5歳と6歳のときに1期を、11歳のときに2期を接種しました。

自治体から届いた案内にしたがってお医者さんに打つタイミングを確認しながら日程を決めましたが、他の予防接種と違って同じ年代の方と一斉に打つわけではなかったので、接種のタイミングを忘れないように気をつけました。

参考:厚生労働省|平成17~21年度の間に日本脳炎の予防接種の機会を逃した方々の接種時期が緩和されました。

予防効果の高い日本脳炎ワクチン。自治体の案内にしたがって忘れずに接種を

日本脳炎は、発症すると死亡や後遺症のリスクが高い感染症です。

アジアでは、感染により多くの方が亡くなっており、日本でも毎年発症者が出ています。

有効な予防方法はワクチン接種です。

接種時期は1期3回、2期1回の合計4回で、間隔が長く開くため、自治体からの案内にしたがって忘れないようにスケジュールを立てましょう。

過去に定期接種の案内が控えられた時期があり、日本脳炎の予防接種を受ける機会を逃している世代は定期接種対象の時期を過ぎていても定期接種扱いで打つことが可能です。

参考:
厚生労働省検疫所FORTH|日本脳炎(Japanese Encephalitis)
厚生労働省|日本脳炎
国立感染症研究所|日本脳炎とは
武田薬品工業株式会社|みんなのワクチンナビ



住まいの紹介サービスチャットページ