子どもの中学受験の願書を保護者が書くとき、志望理由欄や志望理由書は特に悩むところですよね。
親はみな「学校側に良い印象を持ってもらいたい」と思うでしょう。
しかし、何をどう書くべきか、「悩み出して訳がわからなくなってしまった」という方もいるのではないでしょうか。
この記事では、保護者が願書の志望理由を書くときの注意点や例文を、テーマ別に詳しく紹介します。
これから願書を書く予定の方、中学受験を1年後、2年後に控えて心の準備をしたい方はぜひ読んでみてください。
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志望理由から学校側が知りたいこととは?
入学にあたって願書が必要な学校では、学校の理念、教育方針やカリキュラムを入学希望者が理解し、賛同しているかどうか知りたがっています。
また、学校と家庭の教育方針が合致しているかどうかも確認ポイントの一つです。
さらに、学校によっては家庭環境や親の教養度を測りたいと考えている学校もあります。
【例文あり】保護者が書く志望理由は3つのポイントをおさえて
それでは、志望理由を書く際のポイントを詳しく解説しましょう。
1.学校のどこに魅力を感じたのか(結論)
志望理由の「結論」となるのは「その学校のどの部分に魅力を感じて入学を決意したのか」です。
その点を、まずはっきりと書きます。
「在校生の皆様の楽しそうな様子に魅力を感じ」など、どの学校にも通用する内容は避け、より具体的に学校独自の特徴や校風に触れましょう。
「貴校のハイレベルな外国語教育に魅かれて」など、学校の教育方針に具体的に踏み込むのも良いです。
ホームページや学校案内などの資料を見ればわかることではなく、説明会などで聞いた話にも触れられると好印象です。
2.なぜその学校に通わせたいのか(根拠)
「この学校に通いたい」と思った理由や根拠を書きます。
なぜ他の学校ではダメなのか、この学校が良いのかがはっきりと伝わると良いでしょう。
「結論」を支える根拠として、入学を決意するに至った具体的な出来事や理由を書いてください。
このとき、説明会や文化祭などで実際に見聞きしたエピソードを盛り込めると、とても良いです。
「文化祭で拝見した3年生の○○語でのスピーチに、親子共々深く感動いたしました」といった具合に書けると、その学校を選んだ根拠がはっきりと伝わります。
3.子どもの目標(まとめ)
最後は、入学できたら何をがんばりたいか、将来どうなりたいのかという、子どもの目標でまとめます。
子どもの夢や目標をメインにしつつ、それに対して親の考えも一致していて、協力体制であることをアピールできるとなお良いです。
「娘は絵本の翻訳家になりたいと申しており、英語の授業を特に楽しみにしています。私共は、貴校の授業や学校活動を通じて、娘が将来の目標に向かって着実に進んでいくことを願っています。」といった具合にまとめましょう。
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保護者が志望理由を書くときの注意点
次に、保護者が志望理由を書くときに気を付けるべき点を解説します。
親の希望や主張を強く出さない
まず、大前提として、受験するのも合格後に学校に通うのも子どもであることをあらためて認識しましょう。
ですから、親の主張は控えめにするのが得策です。
あくまでも「保護者として子どもを応援しています」「見守っています」というスタンスがちょうどいいです。
文章として表すと「息子には、○○をがんばってほしいと考えています」という親の希望を前面に出すのではなく、「○○になりたいという息子の夢が叶うよう、私共は願っています」という温度感でいてください。
誤字・脱字・言葉遣い
書いた文章に誤字脱字がないことは当然です。
チェックは厳重にし、ママが志望理由を書いた場合はパパや塾の先生など、客観的な目線で見てくれる方に確認を頼むのも良いでしょう。
また、「きちんと書かなければ」と意識するあまり、言葉遣いが丁寧過ぎて堅苦しい文章になってしまうのも考えものです。
以下の表を参考にして、適切な表現ができるように心がけてみてください。
適切な言葉 | 備考 | |
---|---|---|
文末 | ですます調 | 「~しております」ではなく「~しています」 |
思う | 考える | |
親の一人称 | 私共 | |
子ども | 息子、娘 | 「愚息」は使わない |
学校(志望校) | 貴校 | 「御校」は話し言葉 |
学校の生徒 | 在校生の皆様 | |
学校の先生 | 先生、先生方、校長先生 |
面接で同じことが答えられるようにしておく
書いた志望理由は、面接の際に子どもがきちんと答えられるようにしておきましょう。
親が勝手に志望理由を考えて書くと、面接での子どもの回答と一致しない可能性があります。
そうなってしまうと、印象が良くありません。
志望理由欄には親が書くとしても、子どもと話し合いながら考えるのが大切です。
願書の提出前にコピーを取っておき、面接の練習をするときに確認すると良いでしょう。
嘘は書かない
学校側に良い印象を持ってもらいたくても、嘘はいけません。
例えば、ミッション系を受験するときに、入信していないといけないのではないかと思って嘘をつくのははやめましょう。
事実をベースに多少大袈裟にする程度は許容範囲ですが、事実無根の嘘によって面接時や入学後に困るのは子どもです。
【テーマ別】保護者が書く志望理由の例文
ここからは、志望理由の例文を具体的に紹介します。
テーマ別になっているため、それぞれ参考にしてください。
教育方針・理念・カリキュラム
私共が貴校を志望した理由は、中高を通して2つの外国語教育に注力されているからです。
海外留学や研修のチャンス、留学生との交流の場があることや講演会などが娘を大きく成長させてくれると感じました。
特に、学校説明会の際にお聞きした、卒業生の海外での活躍の多さには親子共々感動し、将来は外国語を使ってさまざまな国を行き来して働くことを希望している娘にとって大きな希望となりました。
娘が貴校で学ぶことにより、夢を叶えられるように私共はサポートして参りたいと考えています。
在校生の様子
私共は貴校が取り組まれている先進的な理数教育や、在校生の皆様による学習成果に感銘を受けております。
特に、文化祭のときに拝見した貴校の高校1年生の研究発表には感激いたしました。
独自の視点で科学を探求して結論を導き出す力を育まれている貴校の先生方のご指導力や在校生の皆様の学びの深さを感じ、息子の成長にとって貴校以上の環境はないと考えています。
将来、科学の力で人の役に立つ仕事がしたいという夢を持っている息子を、私共は応援しています。
何卒よろしくお願い申し上げます。
部活動
私共が貴校を志望している理由は、新体操部の活動が活発だからです。
特に、学校見学の際に拝見しました、附属の大学へ進学した卒業生が後輩指導のために訪れていた際の様子が印象的でした。
中高一貫校というだけではなく、附属大学との連携によって、より一層子どもたちの部活動が充実したものになることに大きな期待を感じています。
現在も新体操の練習を続けており、将来は新体操で世界へチャレンジしたいと考えている娘を、私共は支えていきたいと考えています。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
まとめ
中学受験の願書に保護者が志望理由を書く際は、学校の理念や教育方針を家庭が理解し賛同しているのかどうかが伝わるように書くのがポイントです。
そして、学校のどのような点を魅力として感じているのか(志望理由の結論)、なぜ通いたいのか(具体的な根拠)、それと結びつく子どもの目標(まとめ)を端的に書きましょう。
正直に、自分たちの言葉で、誤字脱字などの間違いがないように書くのが大切です。
今回紹介した例文を参考に、ぜひ親子で話し合って志望理由をまとめてみてください。
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