「読書の秋」というのはなぜ?意外と知らない由来をご紹介

「読書の秋」というのはなぜ?意外と知らない由来をご紹介

暑さも一段落して涼風が吹いてくると、秋の到来を感じます。

スポーツの秋や芸術の秋、食欲の秋など秋がつく慣用句はたくさんあります。

「読書の秋」もその一つ。

本屋や図書館で、秋にイベントやフェアを開くところも多いでしょう。

では、なぜ「読書の秋」という言葉がうまれたのでしょうか?

ここでは、読書の秋の由来やおすすめの楽しみ方、イベントなどを紹介します。

なぜ「読書の秋」といわれるの?

なぜ「読書の秋」といわれるの?

読書の秋は、「芸術の秋」「スポーツの秋」「文化の秋」と同じくらい有名な言葉です。

ではなぜ、「読書の秋」という言葉が生まれたのでしょうか?

ここでは、読書の秋の由来について解説します。

「読書の秋」の意味とは?

読書の秋は、秋の過ごしやすさを伝える意味で使われます。

暑くて過ごしにくい夏にくらべて活動しやすい秋は、やる気も起こりやすく、集中力も持続しやすいでしょう。

また、秋は夜が長く一人静かに過ごせる時間も増えます。

静かで過ごしやすい時間が増えれば、読書もはかどることでしょう。

つまり、「読書の秋」は秋の過ごしやすさや夜の長さを表す言葉でもあります。

読書は「夏の暑さが過ぎて、過ごしやすい季節が来たときに取り組みやすいもの」の代表格なのです。

由来は中国の漢詩を漱石が引用

「読書の秋」という言葉は、8世紀頃、唐王朝の時代に活躍した中国の韓愈(かんゆ)という詩人が、自著「符読書城南詩」のなかに記した「時秋積雨霽 新涼入郊墟 燈火稍可親 簡編可卷舒」(秋になって長雨が終わって空も晴れ、涼しさが丘陵にもきている。ようやく夜の灯に親しんで、書物を広げられる)という詩に由来するといわれています。

この詩を明治の文豪夏目漱石が1908年に発表した小説『三四郎』のなかで引用したことで、秋は読書をするイメージが一気に日本中に広まり、「読書の秋」という言葉が定着した、という説が有力です。

1947年から「読書週間」が開始

まだ、戦後の記憶が色濃く残る1947年、書店や図書館が中心となって、「読書の力で平和を築く」ことをコンセプトに、10月27日から11月7日にかけて「読書週間」が開始されました。

現在まで続くこの習慣は、1960年に公団社団法人「読書推進運動協議会」が設立され、推進したことで全国に広まりました。

この読書週間が「読書の秋」のイメージをより定着させたのです。

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秋の読書週間とは?

秋の読書週間とは?

秋の読書週間は、70年以上の歴史を持つ長いイベントです。

図書館や本屋でポスターを見た方や、学校で読書週間にちなんだイベントを覚えている方もいるでしょう。

ここでは、読書週間の日程やイベントについて解説します。

秋の読書週間はいつからいつまで?

前述したように、読書週間は10月27日から11月7日までです。

この日程は、読書週間が始まった1947年当時から変わっていません。

日程が決まった経緯は11月3日に文化の日があり、その日を中心に1週間の日程が定められたそうです。

まさに、秋真っ盛りで夜は静かに長く、読書をするにはぴったりの日程ですね。

どのようなイベントがある?

読書週間に合わせて、図書館や本屋、そして出版社では読書を推進するキャンペーンやイベントをおこなっています。

例えば、図書館や本屋では、司書さんや店員さんがイチオシの本を紹介するイベントを開催したり、読み聞かせを企画したりすることもあるでしょう。

出版社では、指定された本を買うとブックカバーなどちょっとしたグッズをプレゼントする企画が実施されることもあります。

また、毎年読書週間のポスターと標語は公募されており、2022年の標語は「この一冊に、ありがとう」です。

「こどもの読書週間」は?

こどもの読書週間は、1959年に始まったものです。

開始当初は5月1日〜14日の2週間に設定されていましたが、2000年の「子ども読書年」を機に、4月23日〜5月12日の約3週間に延長されました。

4月23日は、スペインを中心としたヨーロッパでは本をプレゼントする「サン・ジョルディの日」であり、日本でも1990年代後半から書店などで「本を贈ろう」などのイベントが開催されるようになりました。

また、5月5日は「こどもの日」です。

祖父母が孫にプレゼントを贈るお宅も多いことでしょう。

せっかくですから、絵本や児童書をプレゼントする機会にしてはどうでしょうか?

読書は子どもの心を豊かにしてくれます。

まとめ:読書の秋を楽しもう

読書の秋を楽しもう

読書の秋は、唐代に編まれた漢詩に由来し、明治時代に夏目漱石の小説に引用されたことで、知名度が高まりました。

今は絵本や児童書より動画に夢中な子どもも多いことでしょう。

しかし、本でしか味わえない感動もあります。

親子で本屋や図書館に足を運んで、これはと思える一冊を探して、秋の夜長にじっくり読書を楽しんでくださいね。

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