敬老の日はおじいちゃんおばあちゃんを祝う日というイメージがありますが、どのような祝い方をすれば喜んでもらえるかはよくわからず、迷ってしまうことも多いでしょう。
誕生日や母の日、父の日にも贈りものをしていることがあるため、敬老の日のプレゼント選びも悩ましいものです。
なかには若いおじいちゃんおばあちゃんもいて、「そもそも自分たちの親は、敬老の日を祝う年齢なのかな?」と不安に思う方もいるでしょう。
この記事では、敬老の日の祝い方を詳しくご紹介します。
敬老の日とは?
敬老の日は9月の第三月曜日と決まっています。
かつては9月15日が敬老の日でしたが、ハッピーマンデー制度により土日にあわせて敬老の日に休みが取れるよう、日程が変更になりました。
現在、9月15日は老人福祉法により、老人の日に指定されています。
敬老の日の趣旨は、「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」とされています。
なお、老人の日の趣旨は「老人福祉への理解や関心を高める」などです。
9月15日から9月21日までの1週間は「老人週間」として、福祉に思いを馳せ健康長寿社会の構築を心がける週とされています。
敬老の日の由来
敬老の日の由来として、2つの逸話が伝えられています。
一つは聖徳太子が仏教の教えにしたがって、西暦593年9月15日に悲田院を建設したという説です。
悲田院とは貧民や孤児を救うための公共の施設で、日本における福祉のはじまりが由来になったといえます。
二つめは、親孝行の息子にもたらされた酒の滝にまつわる説です。
美濃国に孝行な息子と年老いた父が住んでいましたが、お金に困った息子は近くの滝で「この滝がお酒だったらいいのにな」とつぶやきました。
すると滝の水は美酒に変わり、喜んだ息子が父にこれを飲ませると、弱った足腰がすっかり治ったのです。
これを聞いた元正天皇は滝を訪れて養老の滝と名付け、年号を養老としたうえで、国中の老人に贈り物をした、その日が西暦717年9月15日であったと伝えられています。
敬老の日は何歳から祝う?
敬老の日を何歳から祝うか、特に決まりはありません。
例えば、孫が生まれたら、60歳や70歳など節目の年を迎えたら、定年退職したら……など、各家庭で決めて良いものです。
人によっては「まだ老人扱いはされたくない」と、お祝いされるのを嫌がる場合もあります。
とはいえ多くの祖父母が、孫はかわいいと考えており、孫に祝われるのは嫌な気持ちがしないものです。
したがって敬老の日は、孫から祖父母へ、という祝い方が一般的で喜んでもらいやすいのではないでしょうか。
敬老の日の祝い方
敬老の日の祝い方は、何をするか一律に決まっているわけではありません。
お祝いの気持ちを伝えられればそれで良いのです。
とはいえ何をしたらいいか迷ってしまうのも事実でしょう。
実際にどのような祝い方をされているかをご紹介します。
プレゼントを贈る
敬老の日では、おじいちゃんおばあちゃんに対してプレゼントを贈る方が多いでしょう。
先方の好きなものや、趣味に関連するものなどが最適です。
また孫が書いた似顔絵や手紙などを添えると、さらに喜んでもらえるかもしれません。
おじいちゃんおばあちゃんが訪問できる距離に住んでいるとは限りませんが、直接渡せない場合でも、電話や手紙でお祝いの気持ちを伝えるのがおすすめです。
贈り物をしたいなら電話などとあわせて、宅配便を上手に使うと良いでしょう。
手作りの料理で食事会
おじいちゃんおばあちゃんを自宅に招き、手料理をふるまってお祝いするのも喜ばれる祝い方です。
遠方で来てもらうのが大変な場合は、おじいちゃんおばあちゃんの家で食事会を開くことを検討しても良いかもしれません。
孫が料理をする姿や、孫が作った料理を食べられるのもうれしいものです。
おじいちゃんおばあちゃんの好物や、縁起の良いメニューで献立を立てるのがおすすめです。
おいしいものを食べに行く
孫が複数いて集まる人数が多かったり、手料理は大変だと感じたりする場合、外食でもまったく問題ありません。
普段は行かないような少し豪華なお店に行く、なじみのお店で特別なお祝いメニューをお願いするなど、それぞれの方法で楽しみましょう。
もちろん和洋中などの好みは、おじいちゃんおばあちゃんに合わせて選択します。
お店やメニューのチョイスは自分たちだけでもできますが、事前におじいちゃんおばあちゃんと一緒にお店を決めるようにしても、早い段階からみんなで敬老の日を楽しめるでしょう。
旅行に行く
敬老の日を機に旅行に行く方も多いようです。
とりわけお出かけ好きなおじいちゃんおばあちゃんなら、一緒に旅行をするのもおすすめです。
旅行に行く場合は、温泉や思い出の観光地、行ってみたい場所など、事前のリサーチをしっかりとおこないましょう。
せっかくのお祝いで疲れてしまわないよう、スケジュールは余裕を持って立ててくださいね。
敬老の日のお祝いにおすすめのプレゼント
敬老の日のお祝いにプレゼントを贈るケースもよくあります。
どのようなものがプレゼントとして適しているか、おすすめのものをご紹介します。
お花
お祝いの定番であるお花は誰にでも喜ばれることが多く、おじいちゃんおばあちゃんも例外ではありません。
先方の好きな花や好きな色で選ぶのも良いですが、花言葉を意識してみるのもおすすめです。
敬老の日のお祝いにおすすめの花言葉を持つ花には、以下のようなものがあります。
- サルビア:もゆる思い、家族愛
- フリージア(黄):親愛の情
- バラ(白):尊敬、純潔の愛
- マリーゴールド(黄):健康
- コチョウラン:幸福の飛来、変わらぬ愛
- カラー:すてきな美しさ
どれも家族として相手を大切に思う気持ちをあらわせる花言葉です。
花を贈るときは鉢植えは避けて、花束かアレンジメントを選ぶのが良いでしょう。
またブリザーブドフラワーやハーバリウムなどを選べば、長く楽しめて水替えなどのお世話も不要です。
和菓子・洋菓子
おじいちゃんおばあちゃんが甘いものを好むなら、和菓子や洋菓子の詰め合わせがおすすめです。
生ものは避けて日持ちするものを選ぶと、急ぐ必要もなく好きなときに食べてもらえます。
お菓子を贈るときは健康のため、素材にこだわったものを選ぶと良いでしょう。
またあらかじめ持病で食事に制限がないか確認しておく必要があります。
グルメ・お酒
普段自分では買わないような良いお肉や高級梅干し、お米などのグルメは、毎日の食事が少し豊かになるうれしいプレゼントです。
ワインやウイスキーなど特別感があるお酒や、飲み比べセットなども、お酒好きのおじいちゃんおばあちゃんには喜ばれます。
お酒の瓶はおしゃれなデザインのものも多いため、飲んだあと飾って楽しめるのも良いですね。
日用品・小物
敬老の日のお祝いには、普段使いできるバッグ、帽子やストールなど、お出かけが楽しくなる小物もおすすめです。
あるいは日常で使うマグカップや湯呑、手帳、財布などに名前を入れることもできます。
名入れギフトの種類はたくさんあるため、好きそうなものや必要そうなものを探してプレゼントしてみましょう。
孫グッズ
住まいが遠方でなかなか孫になかなか会えないおじいちゃんおばあちゃんには、孫グッズを贈ってみてはいかがでしょうか?
部屋のなかに写真たてを飾るのも良いですが、日常生活のなかで孫の笑顔が見られるのはうれしいものです。
孫の写真が入ったマグカップ、置き時計、キーホルダーなど、さまざまなグッズが作れます。
ぜひチェックしてみましょう。
敬老の日のプレゼントにふさわしくないもの
敬老の日に贈るのは避けたほうがいいプレゼントもあります。
以下のようなものはさまざまな理由で好まれない可能性があります。
- 鉢植えの植物:「根付く」から「寝付く」「寝たきり」を連想するため
- パジャマ・寝具:「長く寝る」、「死」「苦」を連想するため
- ハンカチ:漢字で「手巾(てぎれ)」と書く、「手切れ」を連想するため
- お茶:香典返しや弔事のイメージ
いずれも語呂合わせや連想のようなもので気にしない方もいますが、思わぬところで不快感を与えないためにも、欲しいと言われない限り避けたほうが無難です。
まとめ
敬老の日の祝い方には、プレゼントや旅行、食事など、さまざまな方法があります。
どれも、おじいちゃんおばあちゃんにとっては孫とのうれしいイベントです。
いずれかの方法でぜひお祝いをしてあげると良いでしょう。
プレゼントをあげる場合、避けたほうが良いものもあるため注意が必要です。
そのうえで先方のことを考えて選んだプレゼントや孫グッズなら、きっと喜んでもらえるのではないでしょうか。
気持ちを伝える手紙なども添えて、ぜひ敬老の日をすてきな1日にしてください。