乳歯から永久歯に生え変わる時期は、なかなか乳歯が抜けない、歯が急にグラグラし始めたなど、子どもだけでなく親も不安になることが多いですよね。
乳歯が抜ける順番や永久歯が生える順番や時期の目安、歯の生え変わりの時期に注意したいポイント、歯科医院に相談したほうが良い場合はどのようなときか、などを紹介します。
監修者プロフィール
すぎやまデンタルクリニック院長 杉山真一
歯科医療に携わって20年、生まれ育った岡山の街や皆様を元気にすることを目標に、岡山市南区新保に歯科医院を開院。
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乳歯が抜ける順番って?
乳歯が生える順番やいつ頃生えてくるのか、乳歯が抜ける順番から、乳歯がいつ頃抜けるのか、永久歯が生えてくる時期や永久歯が生えそろう時期はいつなのか、目安を紹介します。
乳歯が生える順番と時期の目安
乳歯は生後7ヵ月頃から下顎の前歯(下顎乳中切歯)が生え始め、2歳5ヵ月頃までに乳歯20本が生えそろいます。
一般的には上下の前歯2本ずつが生えたあとにその両隣の歯が生え、前歯4本ずつが生えたところで奥歯が生えるという順番です。
乳歯は早い赤ちゃんだと生後4ヵ月頃から生え始める場合もありますし、3歳半頃に生えそろうなど、個人差があります。
平均的な時期や周りのお子さんと比べて早い、遅いなどはあまり気にする必要はありません。
平均はあくまで目安であり、それぞれのお子さんのペースで成長していきます。
乳歯 | 上顎 | 下顎 |
---|---|---|
乳中切歯 | 10ヵ月頃 | 9ヵ月頃 |
乳側切歯 | 11ヵ月頃 | 1歳頃 |
乳犬歯 | 1歳6ヵ月頃 | 1歳7ヵ月頃 |
第一乳臼歯 | 1歳4ヵ月頃 | 1歳5ヵ月頃 |
第二乳臼歯 | 2歳5ヵ月頃 | 2歳3ヵ月頃 |
乳歯が抜ける順番と永久歯が生える時期の目安
一般的には6歳頃に最初に下顎の乳中切歯が続けて2本抜け、7歳頃に上顎の乳中切歯が2本抜けます。
この頃に6歳臼歯と呼ばれる奥歯が一番奥に生えてきて、歯の数が4本増えて合計で24本になります。
そして続けて下、上の順番で側切歯まで生え変わると、一旦落ち着いて、一年近く乳歯が抜けません。
その後、8~9歳頃で乳犬歯から乳臼歯にかけて生え変わっていき、上下の乳臼歯が完全に生え変わるのは11歳~12歳頃です。
なお、乳歯が抜けたあと永久歯が生えてくるまでの期間の目安は3ヵ月ほどです。
そして12歳臼歯と呼ばれる7番目の歯が6歳臼歯の奥に生えてきて、12~14歳頃にはすべての永久歯が揃い、親知らず(第三小臼歯)を除いて合計28本となります。
上顎 | 中切歯 | 7~8歳頃 |
側切歯 | 8~9歳頃 | |
犬歯 | 11~12歳 | |
第一小臼歯 | 10~11歳頃 | |
第二小臼歯 | 10~12歳頃 | |
第一大臼歯 | 6~7歳頃 | |
第二大臼歯 | 12~13歳頃 | |
下顎 | 中切歯 | 6~7歳頃 |
側切歯 | 7~8歳頃 | |
犬歯 | 9~10歳頃 | |
第一小臼歯 | 10~12歳頃 | |
第二小臼歯 | 11~12歳頃 | |
第一大臼歯 | 6~7歳頃 | |
第二大臼歯 | 11~13歳頃 |
歯の生え変わりのときの注意ポイント
乳歯から永久歯に生え変わる際に注意しておきたいポイントをまとめて紹介します。
乳歯のむし歯もちゃんと治療する
永久歯は乳歯が生える前から胎内にいるときに歯茎のなかで形成され始めます。
乳歯がむし歯になってしまうと早く抜けてしまったり逆になかなか抜けなくなったりする場合があります。
乳歯が早く抜けすぎて、永久歯が生えるまでに時間がかかると、歯がない時期が長くなるので隣の歯が傾いてしまいがちです。
逆になかなか乳歯が抜けないと永久歯の生えるスペースが確保できないので、斜めに傾いて生えてくるなど、歯並びが悪くなることもあります。
また、むし歯になった乳歯を放置していると、永久歯もむし歯になりやすくなったり永久歯の歯質が悪くなったりしがちです。
乳歯は永久歯が生えてくるためのガイド役でもあるので、むし歯になった場合はどうせすぐ抜けるからと放置せず、きちんと歯科医師の判断を仰ぎましょう。
生えたての永久歯はむし歯になりやすい
生えたばかりの永久歯は表面が粗く、汚れが付きやすいだけでなく、酸にも弱いのでむし歯になりやすい状態です。
むし歯予防のためには、早い時期から歯医者でのフッ素塗布や点検をしてしっかり対策しましょう。
むし歯は生活習慣病といわれています。
永久歯への生え変わりの時期には甘いものを食べ過ぎないことや、飲食の回数・時間に気をつけるなど、規則正しい飲食の習慣を身につけるよう心がけましょう。
さらに家庭で正しい歯磨きをすることを心がけていくと、口の中の大きなトラブルを防げます。
また、フッ素入りの歯磨き剤を使うと、むし歯になりにくい強い歯を作る手助けをしてくれるのでおすすめです。
大人の仕上げ磨きやチェックも継続
生え変わりの時期は、新しく生えた歯が小さくて歯ブラシが届きにくかったり、歯の凹凸が多いため磨きにくかったりして、汚れがきちんと取れないなど磨き残してしまいがちです。
自分で歯磨きができる年頃になってきますが、十分な歯磨きができていない状態が続くとむし歯になるリスクが高まってしまいます。
生え変わりが終わる小学校6年生くらいまでは、乳歯の頃と同様に大人が仕上げ磨きやフロスなどのケアを継続しておこない、歯がきちんと磨けているかを確認しましょう。
歯科医院に相談!注意が必要な場合は?
乳歯が抜ける時期や永久歯が生えてくる時期は成長スピードの個人差や男女差などがあるので、1年ほどずれる場合があります。
標準的とされる時期からずれているからといって、心配なわけではありません。
しかし、なかには歯科医院に相談したほうが良いケース、レントゲン撮影などをしたほうが良い場合もあるので、見極める目安を紹介します。
乳歯が生えるのが早すぎる、遅すぎる場合
乳歯が早く生えすぎた場合や生え始めが遅すぎる場合は歯科医院に相談したほうが良いでしょう。
乳歯が生後2ヵ月で生えてきてしまった場合は、先天性歯の可能性があり、通常の乳歯が早く生えてきたケースと余分な歯が生えてきたケースがあります。
生後2ヵ月で歯が生えていると口の中を傷つたり、授乳が困難になったりする恐れがあるので、小児科や歯科医院に相談してみましょう。
また、1歳3ヵ月を過ぎても歯が1本も生えてきていない場合も、歯科医院に相談するのがおすすめです。
乳歯が抜けない場合、永久歯が先に生えた場合
歯が生え変わる目安の時期を大幅に過ぎても乳歯が抜ける気配がないケースや、乳歯がまだ抜けていないのに永久歯が先に生えてきてしまった場合は、歯科医院に相談したほうが良いです。
そのまま放っておくと、永久歯の歯並びに影響してしまうことがあります。
また、左右の同じ種類の歯は同じような時期に生え変わるのが一般的です。
しかし、片側の歯は生え変わったのに反対側の歯が半年以上経っても生え変わらない場合は、何らかの原因があるかもしれません。
乳歯が抜けたあとに1年以上経っても永久歯が生えてこない場合も同様です。
何らかの原因で、永久歯が作られず先天的に永久歯が欠損することがあります。
日本小児歯科学会の報告では、いずれかの永久歯が欠損しているお子さんの割合は10人に1人といわれています。
見た目や歯並び、機能に影響を与えることもありますので、このような場合も、歯科医院に相談してみると良いでしょう。
まとめ:気になったら相談を
乳歯は6歳頃から下の前歯から抜け始め、その後6年ほどかけて永久歯に生え変わります。
乳歯が抜けたあとは3ヵ月間ほどで永久歯が出てきますが、永久歯が生え始める時期には個人差があるので、少し時間がかかっているからといって焦ることはありません。
ただし、抜けない乳歯がある、永久歯がなかなか生えない、抜ける順番がおかしいなど気になることがあるなら、歯科医院に気軽に相談してみてくださいね。